実力だけでなく運も必要なものなのでしょうか? 重要な決断をするときには直感を信じるべきか、それとも確率と細心の分析に頼るべきか? この短い講演では、プロのポーカープレーヤーであるリヴ・ボエリー(Liv Boeree)さんが、勝負の世界で学んだ3つの戦略と、その日常への応用について語ります。
- TED Speaker/TED Attendee: Liv Boeree(Science communicator, games specialist)
1つ目は運に関することです。ポーカーと同じように人生もまた腕と運が物を言います。例えば、私は2010年に「欧州ポーカーツアー」というすごく大きな大会で優勝しました。ポーカーに専念するようになってまだ1年足らずの時で、自分は才能があるに違いないと思いました。試合をちゃんと研究しなかっただけでなく大きな賭に出るようになりました。懸念すべき収入の下落が長く続いて、ようやく自分の力を過大評価していたことに気付き、しっかり考え直したのです。私達のエゴは、勝っている時に運の要素を小さく見がちだからです。
ポーカーが教えてくれた2つ目のことは、数値化して考えるのが大切だということです。勝負しているときは「どうせハッタリだろう」と言って済ますわけにはいきません。たくさんのお金を失うことになります。ポーカーというのは、確率と精度のゲームであり、数字で考えるよう自分を鍛える必要があります。これは計画段階でとても有用なんです。今日のこの場や、将来の時点ではあらゆることが、起こりえるものなので、それも確率的に表しておくと良いでしょう。[停電する:0.002%、百歳まで生きる:22%、宇宙旅行する:0.1%、時間切れになる:25%、二日酔い中:15%、名札を紛失する:80%]
今日お話ししたい3つ目は、直感です。直感が働くのは、どんなときなんでしょう? 研究によると、直感が当てにできるのは、日常的に多くの経験がある事柄、何か言う前から友達が怒っていることに気づくとか、ギリギリの駐車スペースに停められそうか、といったことです。でも大きなことになると別です。自分のキャリアパスがどうなるかとか、誰と結婚すべきかとか、どうして、そういったことについて時間をかけてきちっと分析するよりも、直感の方がいいと思うのでしょう? 何のデータにも基づいていないというのに・・・。
私の3つ目の教訓は、直感を無視すべきではないが過信してもいけないということです。
ミームを使って、今日の3つの教訓のまとめをしましょう。ポーカー流に捻ってあります。「成功が最も甘美なのは、大きな標本数で成し遂げた時である」(笑) 「直感は強い味方だ、費用便益分析と同じように」(笑) 「未来のことは分からない、でも推測を試みることはできる」 ありがとうございました(拍手)