コンテンツへスキップ
A23a-EYOS

世界最大の氷山「A23a」は急速に崩壊が進み、消滅が予測されています

9月3日、英国南極観測局(BAS)は世界最大の氷山「A23a」の崩壊が急速に進み、複数の巨大な塊に分裂したと発表しました。A23aは、1986年に南極のフィルヒナー・ロンネ棚氷から分離しました。「世界最大の氷山」として観測が続けられており、崩壊前の重さは約1.1兆トン、面積は3,672平方キロ(およそ奈良県)に及んでいました。現在、約1,700平方キロ(およそ香川県)にまで縮小しています。

Imatgeria del la barrera de gel Filchner-Ronne i de la creació de l’iceberg gegant A-23, presa pel Landsat 5 l’any 1986 / Wikipedia

BASの専門家アンドルー・マイヤーズ(Andrew Meijers)氏は、A23aについて「急速に崩壊して巨大な塊がはがれ落ち、そうした塊自体が大型氷河となっている」と指摘します。30年以上の間、南極のウェッデル海の海底に座礁していましたが、恐らく縮小が進んだために海底を離れて漂流を開始。2020年に渦流に巻き込まれ、一時的に動きが止まっていましたが、2024年12月に再び動き始めました。2025年3月に大陸棚に衝突して座礁し、5月に再び漂流し始めていました。

マイヤーズ氏は、「5月に漂流が始まって以来、英領サウスジョージア島周辺を反時計回りに流れる強い海流に乗って漂流していた」と指摘します。「いずれこの海流に乗って北東へと運ばれるだろう」と予想しています。

Antarctic iceberg A-23A on March 4, 2025 / Wikipedia

サウスジョージア周辺では過去にも、2021年の「Iceberg A-68」や2023年の「Iceberg A76」のような巨大氷山が崩壊しており、A23aもいずれ「同じような運命をたどる」見通しです。

A23aは現時点で世界2番目の大きさを保っていますが、今後数週間で分裂が進み、状況は「急速に変化するだろう」とマイヤーズ氏は予想しています。海水温が上昇して春が到来すれば、「それ以上追跡できなくなるほど小さく」分裂するだろうとしています。

氷山の分離や融解は過去数十年で増えており、壊滅的な海面上昇を引き起こす可能性が指摘されています。

A23a-EYOS
世界最大の氷山「A23a」 浸食で巨大な穴やアーチ(2024年1月撮影・提供) / AFPBB News

USGSの楽しく解りやすい追跡動画があります(^^) サウスジョージア島に衝突するのか、それとも大西洋の暖かい海に消えてしまうのでしょうか?(2/20 公開)

JAXAが「しずく」「だいち2号」「だいち4号」から見た A23a氷山の軌跡を掲載していました。

南極の氷床融解が後戻りできなくなる「転換点」に至る恐れも


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください