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新型コロナウイルスに感染の判定5分、1日当り5万件の検査へ

3月27日、米医薬品・医療機器大手のアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染判定で、5分で陽性、13分で陰性を確認できる検査方法を開発して、米食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可を受けたと発表しました。判定に数時間かかるとされる現行の検査と比べ、大幅に時間を短縮できます。検査機器は小型のトースターサイズで、約3Kgと持ち運びが可能です。

ABBOTT ID NOW PLATFORM

患者の鼻や喉から綿棒で粘液を採取し、検査機器で感染しているかどうかを確認(分子検査)します。陰性を最終確認するまでは13分かかるということです。

小型軽量の「ID NOW ™」プラットフォームは、医師のオフィス、緊急治療クリニック、病院の救急部門など、幅広いヘルスケア環境で、短時間に迅速な結果を提供できるとしています。

アボット社は、4月1日から1日当たり5万件の検査を実施する計画だとしています。FDAからすでに使用許可を受けている検査方法と合わせると、1カ月で500万件の検査ができるようになるとしています。

3月26日、米食品医薬品局(FDA)は新型コロナウイルス(COVID-19)の診断検査に関する緊急ポリシーを修正しました。民間企業や検査機関が15分程度の短時間で判定する検査方法を提供することが可能になっています。この検査は人の血液中の抗体の存在を特定する方法です。

これは、FDAが承認した検査機関やドライブスルー検査会場で、緊急使用許可(EUA)に基づき実施されているPCR検査とは異なります。血清学的な検査は人がSARS-CoV-2に対して抗体を作ったかが分かります。抗体が作られていればSARS-CoV-2と接触した可能性が非常に高いことを意味します。そして感染しているのか、感染後すでに回復しているかも分かります。

ヒト免疫グロブリンのアイソタイプの構造 / Alejandro Porto – Basada en File:IgM scheme.svg de Artur Jan Fijałkowski (WarX). / Wikipedia

PCR検査(分子検査)では、実際に血流中のウイルスDNAの存在を検出しますので、検出されれば、少なくとも綿棒で採取した時点で実際に感染していたことを示し、血清学的な検査による結果よりはるかに決定的な指標となります。

いま新型コロナウイルスの「抗体検査キット」が注目を集めています。越智 小枝さんが、よくある誤解について解説、本検査法の限界と可能性を述べています。一読をお薦めします。

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