なぜ「良い大学」は、最も少ない学生しか受け入れないのでしょうか? 教育者であるセシリア・M・オーファン(Cecilia M. Orphan)さんは、入学を拒む(そして学費が高い)大学への「社会の執着」がもたらす有害な結果を明らかにします。何が大学を「名門校」にするのかを考え直し、資金と関心を最も必要とされる場所、すなわち、全ての学生に教育機会を与える地域公立大学に向けるように促します。教育機関は「狭き門」を評価するのではなく、教育機会を創り出すことを評価するよう呼びかけます。
- TED Speaker: Cecilia M. Orphan(Educational equity advocate)
私は大学教授ですので、まずクイズで始めます(笑) 国内最高の大学を考えて下さい。絶対入学したい学校、人生を完全に変える学校、考えましたか? いま私が客席に行って100人にどの大学を選んだか尋ねたら、同じ名前を何度も何度も聞くと思います。それは高等教育に大問題があるからです。
私たちは、ほとんど誰も合格できないような一握りの大学だけに執着する傾向があります。それは私たちが賢くないからではなく、全員のためのスペースがないからです。これらの大学は意図的に受け入れる学生数を制限します。そのせいで、公平な大学入学を提唱するアキル・ベロ(Akil Bello)が別の呼び方をしています。こういう大学は「名門校」ではなく著しい「入学拒否校」です。(笑)
私は近親のうちで初めての大学卒業生です。(声援と拍手)
ポートランド州立大学は、オレゴン州ポートランドの地域公立大学で、本当に私の人生を変えました。(声援と拍手)
時々、地域公立大学を否定的に言う人がいます。「第13学年」と呼んだり、「誰でも入れる」とまるで悪い事のように言ったり、本物の大学じゃないと言ったりします。でも、何人を除外するかでなく、何人を迎え入れて、同じ学業の達成レベルに持ち上げるかで大学は評価されるべきじゃないでしょうか? 地域社会の抱える切実な問題にどう対処するかによって評価されるべきでは?
2020年、大富豪の慈善家マッケンジー・スコット(MacKenzie Scott)氏が、低所得学生や有色人種の学生を教育する73の大学に15億ドルを贈りました。ルイジアナのザビエル大学(Xavier University of Louisiana)、おなじみの名前でないかも知れませんが、国内のどの大学より黒人卒業生を医科大学へ送っていることをご存知でしたか? 彼女はここに2,000万ドル贈りました。いいですか? それは今までに受けた寄付の中で最高額でした。それは彼女の寄付リストの大学ほとんどに言えることでした。ロング・ビーチ・シティ・カレッジ、セントラル・フロリダ大学、CSU ノースリッジ校など、多くは地域公立大学です。滅多に大きな寄付を受けたことがない学校なので、彼女の高額寄付は大学に変革をもたらしました。
私が生きた証人です。どこで生まれようと、いくら親が金を持っていようといまいと、学生の成長をサポートし夢を育ててくれる、そういう大学に行く機会があるべきだという生きた証人です。私たちが名門の定義のし方を変えて、地域公立大学に資金を供給するとき、高等教育を今度こそ皆のために公平にすることでしょう。ありがとうございました。(声援と拍手)
- Mihoko Skabelund, Translator Masaki Yanagishita, Reviewer(日本語字幕を読む)
- 「良い大学」とは?その重要性 | セシリア・M・オーファン(TED)