時は1800年(寛政12年)。16歳の森伴四郎はすでに長刀を持って稽古に励んでいます。彼は野心を持った修行中の侍で、今日は武術と文芸の修行をするため江戸に行きたいと、これまで以上に先生たちに強い印象を与えなければなりません。コンスタンティンN.バポリス(Constantine N. Vaporis)さんが「若き侍の一日」を説明します。
若い侍は「文武両道」に務めます。15歳で成人の儀式(元服)を経て「大小」という2本の刀を授かりました。長刀は修行と戦闘のためのもので、一方、短刀は荘重で唯一の目的があります。切腹を行うときのためです。自分自身、家族、大名の名誉を汚すことがあったときに使います。伴四郎は、伝説的な侍「宮本武蔵」を崇拝しています。
宮本武蔵は150年前の高名な剣豪ですが、書道家そして画家でもありました。それが伴四郎が江戸に行きたい本当の理由で、彼は密かに画家になりたいとも思っています・・・。
- Japanese translation by sola watanabe. Reviewed by Tomoyuki Suzuki.(日本語字幕を読む)
- 若き侍の一日 ― コンスタンティン・N・バポリス(TED.com)
「侍の一日」は、黒澤明監督が名作「七人の侍」の前に「下級武士の平凡な一日」を構想し、制作されなかった時代劇映画の仮題でもあります。脚本家の橋本忍が黒澤監督に「日本の歴史は、事件については仔細まで書き尽くされているが、こと生活に関しては、いつから3度食事をするようになったか、いつから風呂に入るようになったかなど、一切記録がない。これでリアリズムの映画を作ろうとしても作りようが無いんです」と説明すると、もう何も言わなかったということです。-1952年(昭和27年)-
- 侍の一日(Wikipedia)