英スコットランドのオークニー諸島にあるウェストレー島(Westray)とパパウェストレー島(Papa Westray)を結ぶ2.7キロの航空路線、飛行時間わずか2分(地上走行を含む)は、ギネス世界記録に登録された世界最短の定期航空便(Shortest domestic scheduled flight)です。気象条件の良い最短飛行時間は53秒を記録しています。日本国内では、飛行時間10分の「奄美大島―喜界島路線」が日本一短い航空路線となっています。
- Westray to Papa Westray flight(en:Wikipedia)
- 飛行時間わずか2分、世界で最も短いフライトを体験 英スコットランド(2/23, 2022 CNN)
- 「日本一短い航空路線」に 喜界島―奄美大島、わずか24キロ JAC(7/31 南海日日新聞)
2.7キロの航空路線は、住民の移動手段として補助金を受けた公共サービス路線です。ウェストレー空港とパパウェストレー空港をオークニー諸島の主要拠点であるカークウォール空港(Kirkwall Airport)に接続する3つの空港ルートのうちの最短部分です。スコットランドのコミューター航空会社ローガンエアーが運航しており、1967年9月からブリテン・ノーマン・アイランダー8人乗り機を使用しています。
パパウェストレー島の住民は90人ほどですが、島民のほとんどは本業と着陸を支援する仕事とを掛け持ちしています。医療を必要としている患者もこの飛行機を利用します。乗客の大半は60の遺跡を調査するために往来する学生や教師が占めています。観光客にも人気で記念の飛行証明書をもらえます。
パパウェストレー島には、かつて北大西洋と北極圏近くの島や海岸に広く分布していたオオウミガラス(Great auk)のモニュメントがあります。この島に英国最後の1羽が生息していましたが、1813年に撃たれ絶滅しました。銘板には「Fowl Craig」と書かれています。
- 人間の活動によって絶滅した種(Wikipedia)
南スコットランド出身のルース・アイスリング(Ruth Aisling)さんは、2020年から旅行コンテンツを作成しており、日本滞在中は2つの日本語のYouTubeチャンネルに参加しています。キャンピング改造バンで日本中を広範囲に探索していました。大学卒業後の2011年に中東に移り住み、それ以来ほとんど海外で生活してきましたが、最近スコットランドに戻り、キャンピングカーで故郷スコットランドを再発見して SNS(Google検索)で共有しています。下記YouTubeは「世界一飛行時間が短い飛行機に乗ってみた」体験記と、美しいパパウェストレー島を探検しています。
- Ruth Aisling(YouTube Channel)
2013年に世界最短の定期飛行を1万3,000回以上もこなしたパイロットが、24年間の勤務を経て引退しました。月曜日に60歳になるスチュアート・リンクレイター(Stuart Linklater)氏は、日曜日にオークニー諸島上空を飛び、ウェストレーとパパウェストレー間のルートで最後の飛行をしました。1.7マイル(約2.7Km)の飛行は地上走行時間を含めてわずか2分です。リンクレイター氏によると、最短飛行時間はわずか53秒だったということです。
- Pilot on world’s shortest scheduled flight retires(5/26(日曜日), 2013 BBC, James Shaw reports.)
世界最短の定期便では、女性初のパイロットが搭乗して世界最短飛行の記録を樹立しています。同路線の前任者であるスチュアート・リンクレイター氏の指導の下でレベッカ・シンプソン(Rebecca Simpson)氏は、2013年10月25日にウェストレーからパパウェストレーへ単独で運航し、離陸からわずか1分15秒後にパパウェストレーに着陸しました。
- Landmark for the world’s shortest flight as it gets first female pilot(11/12, 2013 The Herald)