9月6日、EUのコペルニクス気候変動サービス(C3S)が発表したデータによると、北半球では6月と7月に続いて8月も記録的な猛暑が続き、産業革命前の8月の平均を1.51度上回りました。猛暑の記録更新は2023年に続いて2年連続です。世界平均気温の記録更新は今後も続くと専門家は予測しています。また、世界気象機関(WMO)は、気候変動、山火事、大気汚染の悪循環が人間の健康、生態系、農業に悪影響をを及ぼし続けているとのレポートを公表しました。
- Surface air temperature for August 2024(9/6 C3S)
- Sea ice cover for August 2024(9/6 C3S)
- Vicious circle of climate change, wildfires and air pollution has major impacts(9/5 WMO)
北半球の夏にあたる6月から8月の世界の気温は、1940年に観測を始めて以来、最高を記録しました。1991~2020年の平均に比べると0.69度高く、これまでの最高だった2023年を0.03度上回りました。冬の南半球も極端な暑さに見舞われ、オーストラリアでは8月の気温としては同国史上最高の41.6度を観測しています。
コペルニクス(C3S)の専門家は「2024年は観測史上最も暑い年になるだろう」と予想、「温室効果ガス排出削減の緊急対策を講じない限り、この夏のような異常気象は一層激しくなり、さらに壊滅的な影響を人々とこの惑星にもたらすだろう」と述べています。
- 世界中で猛暑の夏、2年連続で記録更新(9/6 CNN)
北極海やグリーンランドなどの北極圏については、以前から海水温の上昇や海氷域の縮小が叫ばれ、観測と研究が進んでいます。近年は南極大陸についても、最も融解が進む西側氷床だけでなく東側も融解が進み、海氷域の縮小も顕著になってきました。
世界気象機関(WMO)の新たなレポート(9/5)によると、気候変動、山火事、大気汚染の悪循環が人間の健康、生態系、農業に悪影響をを及ぼし続けていると指摘します。
WMOのコ・バレット(Ko Barrett)事務局次長は、「この大気質と気候速報は2023年に関するものです。2024年の最初の8か月間は、猛暑と長引く干ばつにより山火事や大気汚染のリスクが高まり、これらの傾向が続いています。気候変動により、私たちはこの異常事態にますます頻繁に直面することになります。解決策を見つけるには、学際的な科学と研究が鍵となります」と述べています。