TOYOTA自動車は2015年9月4日(米国時間)、米マサチューセッツ工科大学や米スタンフォード大学と人工知能(AI)研究で連携し、両校とのAI研究に今後5年間で5,000万ドルを投じると発表しました。
同時に災害救助ロボットの競技会「DARPA Robotics Challenge」のプロジェクトマネジャー(PM)を務めた Dr Gill Pratt(経歴:Linkedin)氏(写真)を研究主幹として招へいしたことも明らかにしました。
TOYOTAは各大学と連携する研究センターを設立して「様々な環境における物体の認識」「高度な状況判断」「人と機械の安全な相互協調」などの実現に向けて AIの研究を行ないます。
Gill Pratt氏は、2010年から2015年まで米国防高等研究計画局(DARPA)に勤務、ロボティクスと人工知能の専門家であり、両分野で幅広い人脈を持っています。
TOYOTAは Pratt氏の助言に基づいて、CSAIL(MIT)やSAIL(スタンフォード)との連携研究を推進するとしています。
昨年の定時株主総会で、加藤光久副社長が自動運転の質問に対して「トヨタにとって車はドライバーが意のままに運転を楽しむもの。人がまったく関与しない自動運転や無人運転を商品化するつもりはない。
自動運転技術をしているのは、安全性の向上とドライバーの負担を軽減するため」として、とんでもなく残念な返答をしています。
いまや TOYOTAは世界の「交通ソリューション」をリードすべき立場になっています。
とりわけ人口減少と少子高齢化が進む日本においては、医療弱者、買い物弱者、介護分野の人手不足と、運転手の高齢化などが一際深刻化しており、「交通や配送のラストワンマイル」を解決するイノベーションと技術革新を必要としています。
ラストワンマイルを飛躍的に改善する自動運転車(無人運転)や、配送ドローンの開発や実用化について、IT企業や自動車メーカー、通販/宅配企業、大学、ベンチャーがしのぎを削っています。
自動車トップメーカーとして「TOYOTA」には「人に優しい近未来交通ソリューション」に積極的に取組むことを期待しています。
- Toyotaが“自動運転車”ではなく“完全無事故車”の研究開発に$50Mを投じ、研究主幹にDARPAのGill Pratt博士を招聘(9/4 TechCrunch Japan)
- 終始、和やかな雰囲気だったトヨタ株主総会(2014年06月20日 東洋経済)