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論理的思考を記憶する初めての人工知能(DeepMind)

現在のニューラルネットワークは、機械学習や強化学習において著しい発展を遂げていますが、変数およびデータ構造を表すために多大なメモリ空間を必要としており、外部メモリの不足のために長い期間にわたってデータを保存する能力が制限されています。

DeepMindが発表した、ディファレンシャブル・ニューラルコンピュータ(Differentiable neural computers: DNC)のイメージ図です。
中心のネットワークコントローラ(DNC)は、0か1の数字で運搬されてくる情報を、3つのロボットアーム(読む、書く、消す)によりメモリ上で処理して、新たに鋳造したバイナリーデータ(自己学習コード)が出力されます。

An artist's impression of a DNC. The glowing controller network is visualised as the operator of a factory where information is delivered in the form of zeros and ones, manipulated by three robotic arms reading, writing and erasing on a scroll that represents the memory, and finally exported as a newly minted binary sequence.
An artist’s impression of a DNC. The glowing controller network is visualised as the operator of a factory where information is delivered in the form of zeros and ones, manipulated by three robotic arms reading, writing and erasing on a scroll that represents the memory, and finally exported as a newly minted binary sequence.

今回、DeepMindの新しいニューラルネットワーク(DNC)を訓練して、できるだけ速くロンドンの地下鉄網を移動できる経路を探させました。効率のいい移動経路を見つけること自体は目新しくありませんが、その論理的思考、手法を記憶する人工知能(AI)は、これが初めてだということです。
この DNCは、ロンドンの地下鉄路線図から学んだことを記憶し、その知識をほかの似たような状況(例えばパリの地下鉄)に応用できると説明しています。

研究の筆頭著者であるアレックス・グレーヴス(Alex Graves)氏は、「通常のニューラルネットワークに情報を与えても、それにその情報をいつまでも保存させることはできません。どこかの時点で上書きされるため、ニューラルネットワークはその情報を忘れてしまうことになるのです」と語ります。しかし、DeepMindが開発したニューラルネットワークのメモリであれば、その情報を「無期限」に保存することが可能だということです。

人間の脳が持っている論理的思考、手法の記憶や、概念化した知識の記憶に一歩近づいた研究・開発のように思います。この研究論文はネーチャー誌に発表されています。

このYouTubeでは、研究チームが家系図の詳細を入力すると、ある人物が別の人物にとって「叔母」であるか「父」であるかなど、どんな関係であるかを解答できることが示されています。

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