この言葉(KISSの原則)は、米ロッキード・マーティン社の一部門「ロッキード・マーティン先進開発計画(通称スカンクワークス)」の設計技術者ケリー・ジョンソン (Clarence “Kelly” Johnson)氏によって造られました。
米国らしい面白い言葉ですが、この原則の起源と思われる似た概念もあります。「オッカムの剃刀」や、アインシュタインの「何事もできるだけ単純な方がいい。ただし、単純にしすぎてはならない」、レオナルド・ダ・ヴィンチの「単純であることは究極の洗練だ」の言葉、アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの「完璧とは、これ以上加えられないときではなく、これ以上削りとれないときに達成されるようだ」などです。
アップルの共同創業者ステーブ・ジョブズ氏も追求した設計思想でした(^^) いつも思いますが、「人に優しいインターフェース」「未来はいつもシンプルで美しい」を心がけたいですね。
機能が高度化すると複雑になりがちですが、「統計学」や「機械学習」の分野でも、モデルの複雑さとデータへの適合度とのバランスを取るために「オッカムの剃刀」的な発想を利用しています。
「KISSの原則」が意味するところは、設計の単純性(簡潔性)は成功への鍵だということと、不必要な複雑性は避けるべきだということです。人に優しいインターフェースほどシンプルになります。日本経済が陥ってる「生産性の低さ」「日本病」「大企業病」などの遠因でもあるように思います。
F-117(Nighthawk)は世界初の実用的なステルス機として、1981年に初飛行を行った米空軍の攻撃機ですが、「1時間飛ぶと30時間メンテナンスが必要」な複雑な機体であったようで、費用が掛かりすぎて 2008年4月22日をもって全機が退役しました。
- OSSのサボタージュマニュアル(Simple Sabotage Field Manual)(Nobuyuki Kokai)