1858年にアルフレッド・ラッセル・ウォレス(Alfred Russel Wallace)によって収集され、ウォレス・ジャイアント・ビー(Wallace’s giant bee)と呼ばれる地球上で最大のハチは、翼幅が2.5インチ(約6.4cm)もあり、セイヨウミツバチの4倍もの大きさ、まるでクワガタムシのような巨大な大あごをもっています。絶滅したとみられていましたが、約40年ぶりに再発見されました。
- The World’s Largest Bee Is Not Extinct(Feb. 21, 2019 The New York Times)
この「ウォレスの巨大バチ」は、数千匹の仲間と巣の中に棲むのではなく、ほとんどの時間を単独で過ごします。シロアリの塚に穴を掘り、内壁に樹脂で防水加工を施して、そこを住みかにするのだそうです。大多数のハチの種は単独性で、ミツバチなどのほうが例外なのだそうです(^^)
自然写真家のクレイ・ボルト(Clay Bolt)さんたちは2019年1月、インドネシアの名もなき島で雨のなかを疲労困憊しながら、樹上にあるシロアリの塚を探していました。2つの島で6日間のうちに40個ほどの塚を捜索したそうです。「ウォレスの巨大バチ」を再発見した正確な場所については、保全上の理由によって詳しくは書けないそうです。
現地では「ハチの王」と呼ばれていますが、名前に反して巨大なのはメス。オスはメスの半分ほどしかなく、恐ろしげな大あごもありません。メスのハチは興奮や警戒のそぶりもなく、独特な口を使って、巣穴の内壁にせっせと樹脂を塗り直していたそうです。
恐竜などの例からも大きな生物ほど、危機に対して脆弱であり、一つの生態系が収容できる個体数は、体が大きい種であるほど少なくなるそうです。地球上で最大のハチのミステリアスな生態が解明されることを願ってますが、この地球上には、まだまだ未知の生態系や生物が存在していることも明らかになりました。