6月16日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、主要63カ国・地域を対象にした2020年版「世界競争力ランキング」を発表しています。Top3では、シンガポールが昨年に続き首位となり、2位はデンマーク、3位はスイスとなりました。米中貿易戦争の影響で、米国は10位(昨年3位)、中国は20位(昨年14位)に順位を下げ、また中国の統制強化で香港は5位(昨年2位)となっています。そして、日本はついに過去最低の34位(昨年は30位)まで後退してしまいました。
- IMD World Competitiveness Center(imd.org)
- IMD’s 2020 World Competitiveness Ranking revealed, showing strength of small economies(imd.org)
日本の競争力は低迷、過去最低でついに34位です。特に「ビジネスの効率性」を巡る評価が低く、起業環境や国際経験は分野別で最下位と厳しい評価です。日本の新規開業率は5%程度、10%を超える欧米諸国に比べると見劣りします。IMDのチーフエコノミスト、クリストス・カボリス氏は「日本は厳しい規制や高い法人税が起業を難しくし、外国からの投資も呼び込みにくくしている」と問題点を指摘します。
日本は携帯ネット契約(1位)や環境技術関連(2位)といったインフラ面が強みとして評価された一方で、デジタル技術はなんと62位に沈んでいます。
新型コロナウイルス感染拡大で、テレワーク、電子政府、働き方改革、オンライン授業の遅れなどが一気に顕在化しています。感染経路調査は電話で聞き取り、給付金のネット申請でも障害が頻発、ハンコ問題などデジタル化の大幅な遅れを露呈しています。
- 日本の競争力34位、過去最低に 香港も後退(6/16 日本経済新聞)