11月1日、グテーレス国連事務総長は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳級会合で演説し、各国が提出した現在の温室効果ガスの削減目標では、今世紀末の平均気温は産業革命前から2.7度上昇すると訴えました。会議が失敗に終わった場合、各国は気候変動対策の計画を見直さなければならない。「5年ごとではない。毎年、常にだ」と警告しました。議長国のジョンソン首相は「話し合いや議論から、具体的な行動に移さなければならない」と述べています。
- COP26関連情報(Google検索)
- COP26特設サイト -脱炭素社会の行方-(NHK)
グテーレス氏は「私たちは厳しい選択を迫られている。私たちが化石燃料への依存を止めるのか、それとも化石燃料への依存が私たちを止めるかだ」と強調しました。「小さな島国や開発途上国にとって、COP26の失敗は選択肢ではない。死刑宣告だ」と指摘。「未来を守り、人類を救うことを選択してほしい」と訴え、気候変動対策への支援資金などを増額するよう求めました。
岸田総理大臣は、COP26の首脳会合で演説し、2050年の「カーボンニュートラル」を実現するため、2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度から46%削減することを目指し、さらに50%に向けて挑戦するとした目標を説明しました。そのうえで、5年間で最大100億ドルの途上国への追加支援などを表明し、「経済成長のエンジンであるアジア全体のゼロエミッション化を推進していく」と強調しました。
また、岸田総理大臣は、アジアを中心に途上国の脱炭素化を進めるため、石炭などの化石燃料による発電から再生可能エネルギーへの転換を推進するとして、1億ドル規模の事業を展開する考えを示しました。YouTubeは、岸田総理大臣の演説からスタートします。
- COP26 岸田首相が演説 途上国へ100億ドル追加支援を表明(11/2 NHK News)
8月24日に発表された研究(Reducing CO2 emissions by targeting the world’s hyper-polluting power plants)によると、発電効率が低い5%の火力発電所が、世界の発電由来のCO2排出量の約75%を占めているといいます。CO2削減の鍵は「上位5%」。CO2排出量上位10カ所の1位は欧州最大の火力発電所、ポーランドのベウハトゥフ発電所(Bełchatów Power Station)です。
- 低効率な「5%の火力発電所」を閉鎖すれば、発電由来のCO2排出量の7割超を削減できる:研究結果(10/31 Wired.jp)
CO2排出量の多い石炭火力発電所の分布については、少し意外に思うかもしれません。CO2排出量が多い上位10カ所(地図の赤色地点)の発電所のうち中国にあるのは1カ所だけです。対照的に韓国からは3カ所、インドからは2カ所の発電所が上位リストに含まれています。日本では「碧南火力発電所」が10位にリストされています。
- Belchatow Poland
- Vindhyachal India
- Dangjin South Korea
- Taean South Korea
- Taichung Taiwan
- Tuoketuo China
- Niederaussem Germany
- Sasan Umpp India
- Yonghungdo South Korea
- Hekinan Japan
- List of coal-fired power stations(Wikipedia)