1921年(大正10年)に公開されたサイレント映画キッド(The Kid)は、そのオープニングで「笑いと たぶん涙の物語」と語っている通り、映画史上初めて喜劇と悲劇の融合が効果的に取り入れられた、親子の情愛を描いた長編コメディ映画です。監督・脚本・主演(サウンド版では音楽も)チャーリー・チャップリンです。脚本や貧困の描写は、チャップリンの幼少期の体験が反映されています。YouTubeで全編公開(68分)されています。
- キッド (1921年の映画)(Google検索)
ロンドンの下町、芸術家の恋人に捨てられた若い娘が、赤ん坊の処理に困ったあげく、金持ちの車の中に置き去りにします。街の浮浪者チャップリンがその子を拾い育てることになります。5年後、キッドは貧乏でも愛情深く育てられて、ハンチングに破れたセーター姿に成長します。貧民街でチャップリンを助けて、インチキ商売に精を出します。
女優として成功した生母は、貧民街に慈善活動にやってきて、そうとは知らずキッドと交流します・・・・。チャップリン自身の幼少期と重なる、ヴォードヴィルの芸人だったキッドを演じたジャッキー・クーガンは、映画界で最も有名な子役になります。
- チャップリン自伝 (上)-若き日々- (下)-栄光の日々-(中野好夫訳/新潮文庫) 若い頃読んだのですが素晴らしい自伝でした。
ロンドンの薄汚れた劇場で、母の代役として5歳で初舞台を踏んだチャップリン。母の精神病院収容、継母の虐待、アル中の父の死・・・度重なる苦難に襲われ、救貧院・孤児院を転々とした少年は旅回りの一座で子役にありつきます。やがてコメディアンの才能を見出され渡米すると、草創期の映画界に引き抜かれ・・・。
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