グーグル・ディープマインド(Google DeepMind)のデミス・ハサビス最高経営責任者(CEO)は、コンピュータが人間並みの認知能力を持つ汎用人工知能(Artificial general intelligence: AGI)は、数年以内に実現できるかもしれないと語っています。また、「AI研究はすでに急ピッチで進んでいるが、さらに加速する可能性がある」と述べています。
- 汎用AI、数年以内に実現の可能性=ディープマインドCEO(5/2 WSJ日本語版)
- Google DeepMind CEO Says Some Form of AGI Possible in a Few Years(5/2 WSJ)
ハサビス氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)主催のフューチャー・オブ・エブリシング・フェスティバル(The Future of Everything Festival)に登壇し、AI研究はすでに急ピッチで進んでいるが、さらに加速する可能性があると述べています。
「ここ数年の進歩はかなり驚くべきものだった」とハサビス氏は指摘。「その進歩が減速する理由は見当たらない。むしろ加速するのではないか。だからあと数年、たぶん10年以内には到達する可能性があると私は思う」と述べています。ただ、「汎用人工知能(AGI)の適切な定義について研究者の間でまだ合意はなされていない」とハサビス氏は付け加えています。
- Google DeepMind: Bringing together two world-class AI teams(4/20 Sundar Pichai)
- Announcing Google DeepMind(4/20 Google DeepMind)
Googleは4月20日に、AI分野の2つの主要な研究グループである Google Researchの Brainチームと DeepMindを統合することを発表しました。そして、デミス・ハサビス氏をGoogle DeepMindのCEOに起用しました。Googleのコンピューティング・リソースに支えられた一つの集中チームにすべての才能を結集することで、AIの進歩を加速し、より高性能なAIシステムを、より安全かつ責任を持って開発するのに役立つとしています。
汎用人工知能(AGI)の開発は、AI研究の世界で激しい議論を巻き起こしていました。これをSF的な概念だとする意見がある一方で、ハサビス氏やOpenAIのサム・アルトマンCEOをはじめとする企業経営者は、このAI技術を開発すると同時にその影響から人類を安全に守るという野望を公然と語ってきました。
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