1月12日、世界気象機関(WMO)は、2023年が観測史上最も暑い年だったと公式に認定したと発表しました。世界の平均気温は産業革命前(1850~1900年)の水準から約1.45度高くなりました。WMOが6つの主要な国際データを基に分析。特に6~12月は、エルニーニョ現象の影響で、全ての月で月間平均気温の最高記録を更新しました。EUのコペルニクス気候変動サービス(C3S)は、2023年の50%近くの日が1.5度以上高い平均気温を観測しています。おそらく過去10万年間で最も暖かい年だったとしています。
- WMO confirms that 2023 smashes global temperature record(1/12 WMO)
- Global Climate Highlights 2023(1/9 C3S)
Global temperatures: 2023 warmest year on record, close to 1.5°C above pre-industrial level
このグラフは、1940年1月から2023年12月まで、1991~2020年(基準)と比較した月ごとの地球の表面大気温度の偏差です。2023年は太い赤い線で示され、特に6月以降の気温偏差が大きくなっています。
2023年は1年間の毎日の気温が、1850~1900年(産業革命前)の水準を1度を超えたのは観測史上初めてのことです。さらに50%近くの日が1850~1900年の水準より1.5度以上高く、11月には初めて2度以上高かった日が2日ありました。
世界の海面水温についても、エルニーニョ現象の影響で世界最高値を記録しています。海氷については、南極付近の海氷面積が記録的に少なく、2023年は注目に値する年となっています。北極の海氷面積は、衛星記録の中で年間で最も低い4つの中にランクされて、9月の年間最低値は6番目に低くなっています。
1978年10月から2023年12月までの毎日の南極海氷の広がり(単位:100万平方キロメートル)。2023年は青い線で示され、他の年はすべて灰色の線で示されています。
WMOのセレステ・サウロ(Celeste Saulo)事務局長は、「気候変動は人類が直面する最大の課題だ」と指摘しています。「もはや待つ余裕はない。温室効果ガスの排出を大幅に減らし、再生可能エネルギーへの移行を加速させなければならない」と訴えました。