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Lanny Smoot

VR空間内の移動とリンクする床(HoloTile)を開発(Lanny Smoot / Disney)

ラニー・スムート(Lanny Smoot:1955年12月生まれ)氏は、米国のエンジニア、発明家、演劇技術クリエイターです。100を超える特許を取得して米国史上最も多作な黒人発明家の一人です。1月18日、演劇技術と特殊効果に関する功績により、全米発明家殿堂(National Inventors Hall of Fame: NIHF)入りをしています。ディズニー社では創業者のウォルト・ディズニーに次いで2人目です。また、ディズニー社は世界初の多人数対応で全方向対応の拡張可能な動く床「ホロタイル(HoloTile)」を開発中であることを明らかにしています。

Lanny Smoot
Disney Imagineer Makes History | Disney Parks(YouTube)

スムート氏はニューヨーク州ブルックリンで生まれ、ブルックリン工業高校に通いました。彼はベル研究所工学奨学金の支援を受けて、コロンビア大学で電気工学の学士号を取得、Bell(後のTelcordia)で働きながら修士号も取得しています。1999年頃ディズニーに移り、彼の特許のうち74件はディズニー社での25年間に取得されています。

スムート氏は生物を模したロボットを使って撮影するアニマトロニクス用の動く目玉を発明、スターウォーズ関連ではドロイド BB-8の駆動システムや、スター・ウォーズホテル(Star Wars: Galactic Starcruiser)の体験用ライトセーバーなども開発。アトラクションでは、Spaceship Earth (Epcot)や、東京ディズニーシーの要塞探検などの開発にも携わっています。

Disney Imagineer Makes History | Disney Parks(YouTube)

ラニー・スムート氏が紹介するのは、ホロタイル(HoloTile)と名づけられた特殊な形状の床です。そこに乗ると、「その場で全方向に歩く」ことができます。位置的には移動しませんが、体感的にはどこかに向かって歩いたり走ったりしている状態になるため、VRと組み合わせると一定の位置に居ながら仮想空間を歩き回ることが可能になります。

また、世界初の多人数対応となり、全方向移動可能、モジュラーで拡張可能なトレッドミルフロアとしています。各人の位置が固定されるため、それぞれ別の動きをしても隣の人と衝突しないようになっています。さらに、プログラミング次第では人を乗せた台をホロタイルの上で遠隔操作する(手を動かした方向に台が動く)ことすら可能だということが説明動画で分かります。

スムート氏は、一つの立ち位置でできる人間の動きに自由度が加わるため、ダンサーやパフォーマーが使えば可能性は無限に広がることを笑いながら説明しています。

National Inventors Hall of Fame (NIHF)は、1973年に設立された米国の非営利団体で、重要な技術の米国特許を保有する個々の技術者および発明者を表彰します。2020年の時点で、603人の発明家が殿堂入りを果たしており、そのほとんどは過去3世紀の歴史上の人物で構成されていますが、存命の殿堂入り約100名も含まれています。下記から検索できます。

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