民主主義指数(Democracy Index)は、英経済誌エコノミスト(The Economist)の調査部門EIU(エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)が各国の民主主義の状態を評価して発表しています。日本(16位)はアジアで台湾(12位)に続く2位、総合スコア(8.48点)は「完全な民主主義」ランクに評価されています。米国は29位「欠陥のある民主主義」、中国145位、ロシア150位、北朝鮮165位です。

EIUは、「2024年は世界人口の半数以上が投票に行った記録的な選挙の年であったにもかかわらず、民主主義指数は再び民主主義の衰退を記録した。平均スコアは2023年の5.23から5.17に下がり、指数が始まった2006年以来最低となった」としています。また、「世界人口の3分の1以上(39.2%)が独裁政権下で暮らしている。現在60カ国が「独裁政権」に分類されており、2023年の指数と比較すると1カ国増加し、10年前の2014年と比較すると8カ国増加した」と述べています。
- 民主主義指数(Wikipedia)
民主主義指数は、専門家によって60の指標を0点、0.5点、1点のいずれかでスコア付けし、うち12の指標を「選挙過程と多元性」、14の指標を「政府機能」、9の指標を「政治参加」、8の指標を「政治文化」、17の指標を「人権擁護」と、5つの部門に分類して10点満点としています。世界167カ国・地域を対象に、総合指数が8点以上の「完全な民主主義」から「欠陥のある民主主義」「混合政治体制」、そして4点未満の「独裁政治体制」まで4段階のランクに分類しています。
完全な民主主義
9.00–10.00 8.00-8.99 |
欠陥のある民主主義
7.00–7.99 6.00–6.99 |
混合政治体制
5.00–5.99 4.00–4.99 |
独裁政治体制
3.00–3.99 2.00–2.99 1.00–1.99 0.00–0.99 |
ランキング1位はノルウェーで総合スコアは9.81です。ニュージーランド、スウェーデン、アイスランド、スイス、フィンランド、デンマーク、アイルランド、オランダ(9位)までが9点台です。主要国では、米国は29位でスコアは7.85、「欠陥のある民主主義国」ランクです。中国は145位、ロシアは150位、北朝鮮165位でした。最下位(167位)はアフガニスタンです。
与野党対立で政治が混乱したフランスや韓国はスコアが低下。それぞれ8点を割り込み、前年の最高ランクから「欠陥のある民主主義国」に転落しています。フランス(7.99)は前年から3つ下落の26位、韓国(7.75)も昨年22位から32位に後退しています。
日本のスコアをみると、「選挙過程と多元性」や「人権擁護」は9点台でしたが、「政治参加」は6.67と比較的低いスコアになっています。2024年衆院選で自民党派閥裏金事件が響き、自民、公明の与党が大敗していますが、総合スコアは0.08点上昇しています。