歴史学者・哲学者のユヴァル・ノア・ハラリ氏の非常に解りやすい講演です。バベルの塔の神話では、人間が互いに意思疎通できなくなった時に、人間の野望は挫折します。しかし今、状況は逆転しています。人間が互いへの信頼や制度への信頼を失うにつれ、私たちはより優れたAIモデルの構築を競い合い、誰かが先に完成させるのではないかと疑念を抱いています。しかし、私たちの野望は最終的に人類に貢献するのでしょうか? (2026年9月30日開催のミラノ・リーダーシップ・フォーラムより)
- Yuval Noah Harari(Website)
- Yuval Noah Harari(YouTube Channel)

人類は言語や官僚制(金融・法律など)という「言葉のネットワーク」によって大規模な協力体制を築き、地球を支配してきました。しかしAIは、その人間の文明の基礎である言語(コード)をマスターし、人間を凌駕して独立した存在になりつつあります。
旧約聖書のバベルの塔の神話では、神は人間の言語を混乱させることで塔の建設を阻止しました。しかし現代のAI革命では、人間同士の信頼や協力関係が崩壊し社会が混乱しているにもかかわらず、国際間の競争や不信感からAIの開発(バベルの塔の建設)がむしろ加速しています。
AI時代に人類が生き残るには、人間同士が再び協力し、AIの暴走ペースを落とすための時間を稼ぐ必要があります。そのためには、時間や休息を奪われ疲弊している指導者たちが、自らの心(マインド)の健康を取り戻し、信頼関係を再構築することが不可欠であると結んでいます。
- AI is hacking the code of civilization(AI による概要 / Google検索)
<求められる対策>
- 非人間的アイデンティティの開示義務:AIが人間と対話する際や情報を発信する際に、それがAIであると明確に開示させる規制
- 事前安全性のテスト:医薬品におけるFDA(食品医薬品局)のように、公共に解き放つ前に厳格な安全性・リスク評価を行う仕組みの必要性

