2015年5月27日、スイスの国際経営開発研究所(IMD)は、主要61カ国・地域を対象にした2015年版「世界競争力ランキング」を発表しました。
日本は27位で2014年から順位を6段階下げています。円安の効果で観光収入や国際貿易の指標が改善していますが、経済成長率の鈍化や、構造改革の遅れが響いています。
政府部門の財政と移民政策に加え、ビジネス部門の国際経験と経営幹部の競争力が最下位に止まっています。企業の社会的責任や平均寿命で1位の評価を受ける一方で、語学力が60位、管理職教育も57位にとどまっています。
総合の首位は3年連続で米国。アジア太平洋地域では、2位の香港、台湾(11位)が順位を上げましたが、マレーシア(14位)、タイ(30位)、インドネシア(42位)は下げています。中国(22位)と韓国(25位)は、前年より一つランクを上げており日本は両国に抜かれています。
政府の効率性(42位に低迷)以外、経済状況(29位)、ビジネス(民間)の効率性(25位)、ビジネスインフラ(13位)が前年から順位を下げて(下表参照)います。
日本の世界競争力は、JAPAN: COUNTRY PROFILE で見ることができます。
- IMD World Competitiveness Yearbook 2015 Results(IMD)リリース
- The 2015 IMD World Competitiveness Scoreboard(pdf)
- JAPAN: COUNTRY PROFILE(IMD World Competitiveness Center)
低迷する世界競争力ランキングを10位以内に上げるためには、旧来(20世紀的)の「内向きな論理」や「岩盤規制」、そして日本国内の特殊性だけを誇張する「村社会的な発想」を早期に転換することが必須だと思います。