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Virginia_O'Hanlon

サンタクロースはいるんだよ(Yes, Virginia, there is a Santa Claus)

ヴァージニア・オハンロン(Virginia O’Hanlon、1889年7月20日 – 1971年5月13日)は、米国ニューヨーク出身の女性。父親は医者のフィリップと、母は教師ローラの間に生まれました。

Virginia O'Hanlon (circa 1895) / Wikipedia
Virginia O’Hanlon (circa 1895) / Wikipedia

彼女が8歳の時、学校で「サンタクロースはいる、いない」ということで友達と口論になり、家に帰って父親に尋ねると「サン紙に問い合わせてごらん」とすすめられ、彼女は「サンタクロースって、いるんでしょうか?」という投書(質問)をニューヨーク・サン紙に送りました。

当時ニューヨーク・サン紙の記者だったフランシス・P・チャーチは、これに返答する形で社説を書き、1897年9月21日(明治30年)の新聞に掲載されました。

その後、社説の再掲を望む読者が相次ぎ、ついに全米メディアが掲載することになります。特に社説の一節「Yes, Virginia, there is a Santa Claus(そうです、ヴァージニア。サンタクロースはいるのです)」は、「世界一有名な社説」として、また世界中の人々の心にとどく名文として愛され続けています。

世界で一番有名な社説(記者フランシス・チャーチ/The Sun)



成長したヴァージニアは、後に教職に就き、晩年はブルックリンにある長期入院児童のための公立学校で校長を務めました。その生涯にわたって、幼い彼女が書いた投稿についての手紙を受けると、その全てに「サン紙社説」のコピーを添えた返事を書いていたそうです。

サン紙に送った手紙
サン紙に送った手紙

1971年にヴァージニアが81歳で亡くなったとき、ニューヨーク・タイムズ紙は「サンタの友だち ヴァージニア」という記事を掲載し、「アメリカのジャーナリズムにおいて最も有名な社説が書かれるきっかけとなった、かつての少女」として、その死を悼んでいます。

一人の幼い少女が抱いた疑問ですが、新聞社が社説で真摯に応えるジャーナリズムの本質を、現代と未来のマスメディアは、決して失ってはいけないと思います。

日本では1977年に偕成社より「サンタクロースっているんでしょうか?」として初版が出てから、2000年には83刷に達しています。訳者の中村妙子さんは忘れがたい一冊の一つとしています。

デジタルジャーナリズムの未来(米コロンビア大)


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