海洋科学の発展を目的とした非営利財団シュミット海洋研究所(Schmidt Ocean Institute: SIO)が、深海魚クロデメニギス(Winteria telescopa)の世界初の映像を公開しています。頭部は透明なドーム状の膜(内部は液体)で覆われ、前方を向いた筒状の眼が特徴です。上空から差し込む微かな日光や、生物発光のわずかな揺らめきさえも捉える能力を備えています。今回の映像は超高層ビルほどの深さ(水深710m)で撮影されました。
- The Doldrums Fracture Zone is Anything but Dull(7/7 SIO)
- A barreleye fish with binocular vision & a sole!(6/30 @SchmidtOcean/YouTube)
- デメニギス(Wikipedia)
- Winteria telescopa(en:Wikipedia)

サンパウロ大学海洋学研究所のマルセロ・メロ博士(Dr. Marcelo Melo)によると、深海魚「クロデメニギス」が動画で観察されたのは今回が初めてと述べています。デメニギス科(Barreleye)の魚類は極めて希少です。この興味深いデメニギス科に関する私たちの知識のほとんどは、漁網で採集された標本に基づいていますが、水面に引き上げられる過程で繊細な標本が損傷してしまうそうです。
ほとんどの魚の目は身体の側面に位置して、周囲をより広範囲に捉えることができます。体の軸に沿って平行に配置された筒状の目には、上空から差し込む微かな日光や生物発光のわずかな揺らめきさえも捉える能力を彼らに与えています。通常、目は獲物のシルエットを感知するために上向きに向けられていますが、前方に向けることも可能になっています。
小魚やクラゲといった餌生物を発見すると、双眼鏡のように管状眼を回転させ前を見るとともに、体全体を獲物と直線状に並ぶように動かします。また、クダクラゲ類が捕食した獲物を横取りする習性をもつ可能性も指摘されています。口は小さく、体のほとんどは大きな鱗によって覆われています。

下記動画は、MBARI (Monterey Bay Aquarium Research Institute)から2021年12月に公開されたデメニギス(Barreleye)のHD動画です。
