ポルトガルのリスボンにある東洋博物館(Museu do Oriente)では、企画展「日本: 祭りと儀式」と特別展「歌舞伎と浮世絵」を開催しています。日本とポルトガルの友好480周年を記念して企画されたもので、日本の神道と仏教の原理に基づき、新年や端午の節句、禊ぎや守護の儀式、葬儀、豊穣の儀式、年末の儀式など、年間の祝祭日を巡る旅へと誘います。歌舞伎や浮世絵の展覧会、時代劇映画上映会なども行われています。
- Japan: Festivities and Rites(Museu do Oriente)
- Kabuki Theater and the Japanese Print(Museu do Oriente)
昨年2023年は、ポルトガル人が日本の種子島に到着し、日本人との交流を始めてから480周年を迎えました。現在の日本語に残るポルトガル語由来の言葉(ボタン (botão) 、パン (pão) 、タバコ (tabaco) 、カルタ(carta)、コンペイトウ (confeito)など)の存在は、往時の交流の影響の大きさを物語っています。ポルトガル語には刀(catana)、屏風(biombo)等の日本語が取り入れられており、リスボンの主要美術館では日本の南蛮屏風が大切に保存され、その絵姿から当時を偲ぶことができます。
これまで初めて展示される1,500点を超える作品を通じて、「日本: 祭りと儀式」は、神々の神殿とその属性、主要な祭りとその背景、習慣と関連する物品など、これらの祝賀の世界を私たちに案内します。日本は16世紀後半の戦国時代にポルトガル・スペインとの南蛮貿易で、大名達は鉄砲や弾薬などをこぞって買い求めました。他にも生糸、絹織物をはじめ多くの物品が日本にもたらされています。
9月27日から始まった特別展「歌舞伎と浮世絵」は、これまで展示されたことのないオリエンテ財団(Fundação Oriente)のコレクションから91点の浮世絵と11点のオブジェを通じて、歌舞伎の起源から現代日本の文化的象徴として地位向上までを明らかにします。また、これら2つの芸術、浮世絵と日本の大衆演劇の間の興味深い関係を浮き彫りにします。
- Kabuki Theater and the Japanese Print(Museu do Oriente)
リスボンの東洋博物館では、7月28日から9月1日まで田中絹代監督の「お吟さま」の上映会と、田中絹代ワークショップが実施されていたようです。時代劇ドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」の大ヒットと米エミー賞受賞で、日本の戦国時代や日本文化が世界から改めて注目されているようです。
映画「お吟さま(おぎんさま)」は、1962年に公開された田中絹代監督の日本映画です。千利休の娘であるお吟とキリシタン大名の高山右近を題材とした恋愛物語です。原作は今東光の小説「お吟さま」です。2021年第34回東京国際映画祭の「日本映画クラシックス 田中絹代監督特集」で上映されました。
- お吟さま (1962年)(松竹)
- お吟さま(Ogin-sama)1962(IMDb) Ratings: 6.7