トロッコ問題(trolley problem)とは、「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」という倫理学の思考実験です。MITのコンピュータ科学者、イヤッド・ラーワン(Iyad Rahwan)氏は、「The Moral Machine」と題するオンラインアンケートで世界中の参加者に、有名な倫理学の思考実験「トロッコ問題」と同様の、さまざまな状況での二者択一の回答を求めていました(下記のサイト・TEDを参照)。そして今般 230万人からの回答を分析した論文が発表されました。

オンラインアンケートは8言語版があり、日本語版(moralmachine.mit.edu)もあって回答した人も多いと思いますが、MITのニュース(24日)では、自動運転車は「動物よりは人間を、少人数よりは多人数を、高齢者よりは若者を」救うべきだとの回答が大勢を占めていると述べています。

さまざまな国、文化、社会集団に属する230万人もの回答者が、それぞれ異なる回答を寄せたことで、興味深い調査結果になりました。研究者が東、西、南の3つの地理的および文化的グループに分けられるとして、アジアを含む東の回答者は、北米や西欧の人々よりも高齢者を優先させる傾向があった。一方、南アフリカを含む南のグループには他のグループよりも女性を救うべきだという回答者が多かったそうです。(Moral Compass / nature

また、フィンランドや日本のような「比較的治安の良い豊かな国」の回答者は、例えば交通規則を無視して道路を横断するような人は殺されてもいいと答える傾向が強く、経済格差が激しいコロンビアでは、成功した企業幹部よりホームレスが死んだ方がいいという回答が多かったそうです。

Self-driving car dilemmas reveal that moral choices are not universal / nature

あなたの自動運転車は、5人の歩行者を救うためなら乗っているあなたを死なせるべきでしょうか? 自動運転車の社会的ジレンマへの入門となるこの講演で、イヤッド・ラーワン氏は、このテクノロジーが我々の道義性にいかに挑戦することになるかを探り、我々が受け入れる(あるいは受け入れない)倫理的なトレードオフに対する人々の実際の考えを集めようというプロジェクトについて説明しています。 TEDxCambridge | September 2016


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