タコ(octopus)は、私たち人間のようにパズルを解き、観察から学習し、道具を使ったりする知能があります。でも、蛸(タコ)の知能に驚嘆させられるのは、その知性が、人間とは全く異なる生物学的構造から来ている事です。
クラウディオ・L・ゲラ(Cláudio L. Guerra)さんが、タコの驚くべき脳を説明します。
タコの英名(octopus)は、古典ギリシア語の「8本足」から来ています。頭には非常に大きな脳があり、他の賢い動物の体と脳の比率に比べると、タコにはビックリ(脳化指数)させられます。また、その神経系の複雑さは犬のそれと変わりません。タコの5億もの神経細胞は、脳に集中せず、3つの基本的構造内に体系化された、連結する神経節のネットワーク中に広がっています。
中央脳にある神経細胞は、全体の約10%だけで2つの大きな視葉に約30%あり、残りの60%は触手にあります。触手は固有意思を持っている「手」だと思っても良いそうです。
この為、タコは状況に応じ素晴らしく柔軟で創造的な問題対処ができます。例えば瓶の蓋を開け餌を取ったり、迷い道から抜け出したり、新しい環境を探索したり、自分の皮膚の質感や色を変えて環境に溶け込んだり、又は他の怖い生物の真似をして 天敵を追い払ったりします。
頭足類は脊椎動物よりもずっと前に複雑な脳に進化したのかも知れません。他に例を見ないタコの神経系と自立思考する触手は、柔軟な動きをする柔らかな材料を使ったロボットの開発に着想を与えています。