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ロザリンド・フランクリン:DNA構造を発見した隠れた偉人(TED-Ed)

ロザリンド・フランクリン(Rosalind Franklin、1920年7月 – 1958年4月)さんは、イギリスの物理化学者、結晶学者です。石炭やグラファイト、DNA(デオキシリボ核酸)タバコモザイクウイルスの化学構造の解明に貢献しました。1952年に DNAの二重らせん構造の解明につながるX線回折写真(下記 Photo 51)を撮影して、このデータを基にDNA構造を明らかにしています。TED-Edには日本語字幕が付加されています。

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Rosalind Elsie Franklin / Wikipedia / guanga corgiaggio

1951年、フランクリンさんはキングス・カレッジに入り X線によるDNA研究をめぐり、当時の男性優先体質に耐えながら、以前からDNAを研究していたモーリス・ウィルキンスとしばしば衝突します。そして、ウィルキンスはケンブリッジ大学キャベンディッシュ研究所に在籍していたジェームズ・ワトソンフランシス・クリックに彼女の撮影した「DNAの二重らせん」の証拠写真(Photo 51)を密かに見せます。

そして、証拠写真を見た2人は1953年に科学誌「ネイチャー」に、「DNAの二重らせん」構造に関する1,000語にも満たない論文を発表します。論文の「DNA二重らせん」構造が正しいことが全世界で認められ、この2人とDNA構造解明に別の貢献をしたとしてウィルキンスの3人に、1962年ノーベル生理学・医学賞が授与されました。2人は偉大な科学者として世界から称賛を浴びます。

今や有名な「DNA二重らせん」の名は、ノーベル賞を受賞したワトソンとクリックの代名詞となっています。しかし、ロザリンド・フランクリンさんも自ら撮影した写真(Photo 51)とデータからDNAを解明、この「DNA二重らせん」構造解明に貢献したもう1人の科学者なのです。クラウディオ・L・ゲラ(Cláudio L. Guerra)さんが、DNA二重らせん構造解明の裏で尽力した女性科学者の「本当の話」をします。

フランクリンさんは1958年に37歳で卵巣癌と巣状肺炎により死去したため、受賞の栄誉は得られませんでした。一説には、実験のため無防備に大量のX線を浴びたことが癌の原因だといわれています。また、彼女のウイルス構造研究が基で、1982年にノーベル化学賞を受賞した同僚のアーロン・クルーグ(Aaron Klug)さんとは、タバコモザイクウイルスの構造を解明しています。ロザリンド・フランクリンさんは、ノーベル賞を2度受賞したかも知れません。

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Experimental setup: Sample: A DNA strand was stretched across a paperclip and mounted on a piece of cork. Photo 51: X-rays were sent through the DNA strand and their diffracted paths were captured on light-sensitive paper to create Photo 51. Double helix: The “X” in the centre of Photo 51 was caused by the helical arrangement of the DNA molecules in the sample. / Wikimedia Commons

クリスチャン科学者で理学博士の安藤和子氏のブログには、優れた研究業績を上げたにもかかわらず、ワトソンたちに不当な扱いを受けて、短い一生を終えた優秀な女性科学者、ロザリンド・フランクリンさんに関する投稿記事があります。

「DNA二重らせん」でノーベル賞を受賞したジェームズ・ワトソン氏(90歳)は、1月2日に放送されたPBSのドキュメンタリーの中で、白人と黒人の知能検査では、遺伝子に起因する知性の差が出ると発言し、コールド・スプリング・ハーバー研究所(CSHL)の名誉職を剥奪されました。2007年に「黒人は人種的・遺伝的に劣等である」という趣旨の発言で研究所(CSHL)の所長を解任されていましたが、名誉職には留まっていました。

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