1826年(文政9年)に世界初の写真がジョセフ・ニエプス(Joseph Niépce)によって撮影されてから約2世紀になります。今では1日で何十億枚の写真が撮られています。米国のタイム誌が3年をかけた写真プロジェクト「100 Photographs」があります。このプロジェクトでは1826年から2015年までに撮影された、世界に大きな影響与えた写真100枚を選び発表しました。記憶に刻まれた興味深い写真が多数掲載されています。
- 100 Photographs | The Most Influential Images of All Time(TIME)
- 100 Photographs: The Most Influential Images of All Time(en:Wikimedia Commons)
- 100 Photographs(Amazon)
下記写真のタイトルは「摩天楼の頂上でランチ」 (Lunch Atop A Skyscraper / 100photos)です。1932年9月20日に、建設中の超高層ビル・地上256メートルで、安全帯も付けず鉄骨(横桁)に腰掛け、足をぶらつかせながら昼食をとる11人の建設作業員を撮っています。作業員たちはアイルランド系の移民と推察されています。
- Revisiting a Lunch at Perilous Heights(9/20, 2012 Jesse Newman / NYT)
- アメリカ合衆国の歴史 (1918-1945)(WikiPedia)
ロックフェラー・センターにあり、完成を間近に控えたRCAビル(1986年にGEビルディングに)のプロモーション・キャンペーンの一環として撮影されましたが、米国の工業化と移民、復興と野心、辛い仕事と大いなる希望があったことを表現している写真として人気があります。
いかにもNYらしいユニークな街角アートとして、またバージョン・アップして「色付き」になっているということで、ニューヨーク在住のりばてぃさんがこの写真の「実物大彫像」を紹介しています。
- NYのユニークな街角アート、「摩天楼の頂上でランチ」(Lunch atop a Skyscraper)の実物大彫像(NYの遊び方)
- Sergio Furnari(Website) 彫像化したアート作品の作者
写真プロジェクト「100 Photographs」の1枚目は、1826年に撮られたとされる「ル・グラの窓からの眺め」で、写真の原版が現存する世界最古の写真です。
100枚目の写真は、2015年にトルコのフォトジャーナリスト Nilüfer Demir氏によって撮られたシリア難民と見られる衝撃的なアイラン・クルディくん(2歳)の溺死写真(Death of Alan Kurdi)です。記憶に刻まれた一枚の写真が、時を越えて私たちに語りかけます。