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市民のための仮想アシスタント(エストニア政府AI戦略)

エストニアは「電子政府」を構築しており、結婚と離婚を除く全ての行政手続きがオンライン申請に対応しています。エストニアは2022年に音声による行政サービスを可能とする仮想アシスタント「Bürokratt」の運用を開始しました。また、フィンランドでは2018年から同様の行政サービス「AuroraAI」を開始しています。国家によるパーソナライズされたAI行政サービスは、新しい社会インフラとして注目されています。

Bürokratt – government virtual assistant / Kratid(YouTube)

エストニア政府は、アマゾンの「Alexa」、アップルの「Siri」やグーグルの「Googleアシスタント」のような会話手続きで、パスポートの更新や給付金申請など、主要な行政サービスを音声で利用できるようにしています。

これは入学、就職、出産、結婚、高齢者ケアなど、「国民一人ひとりのさまざまなライフステージをサポートするパーソナライズされた自動サービスの提供」を実現するという、より大きな取り組み(AI戦略)の一環です。このプラットフォームは、行政の各部門と国民のやりとりをサポートするだけでなく、「処方箋を更新する」「新たな健康リスクについて注意喚起する」など、その人の将来を見越したコンシェルジュのような医療サービスも提供します。

新型コロナウイルスの感染拡大などに対処する医療サービスでは非常に有効です。さらに、教育分野やレジャーと旅行、スポーツのすすめ、職業の選択やリスキリング、移住なども提案・サポートしてくれる真の社会インフラ「市民のための仮想アシスタント」に発展させられるように思います。

Bürokratt(ビューロー・クラット): クラット(kratt)は、エストニアの民間伝承に登場する魔法の生き物で、火や火花のように飛び回り、さまざまな持ち物(果物、衣服、お金など)を集めます。

Bürokratt – government virtual assistant / Kratid(YouTube)

第4次産業革命が進展しています。先進的な各国政府も重大な社会問題の解決に向けて、急速にAIやビッグデータを活用するようになっています。透明性の高い信頼される戦略、充分なプライバシー保護対策を組み込むなどして、AI戦略プロジェクトを適切に進めることができれば、それ自体が競争力をもつデータ資産の宝庫となります。

国民一人ひとりに対応したAIベースの対話型サービスの提供に向けて、デジタルアーキテクチャーの構築が加速して行きます。

電子政府とはどのようなものか(TED: Anna Piperal)


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