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愛のロマンスのルーツはウクライナ民謡 Nich Yaka Misyachna (美しい月光)?

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映画「禁じられた遊び」の主題曲「愛のロマンス」は、19世紀後半にスペインのギター奏者で作曲家のアントニオ・ルビーラ(Antonio Rubira)が練習曲として作曲した「Estudio en Mi de Rubira」が原曲とされています。ただ、このルビーラのギター練習曲にもルーツがありそうです。スペイン民謡でしょうか? 有力な候補として有名なウクライナ民謡の「Nich yaka misiachna」があり、その意味は「美しい月光」です。

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「愛のロマンス」のルーツについては、「スペイン民謡」との解説がなされているのをよく見ます。しかし、作曲者として最も有力なのが、スペイン・ムルシア州ロルカ出身のギター奏者アントニオ・ルビーラ(1825-1890)です。1881年から1884年の間、アルゼンチンのブエノスアイレスに渡ってクラシックギターを教えており、現地で出版したギター練習曲「Estudio para Guitarra(YouTube)」が、今日の「愛のロマンス」、すなわち「禁じられた遊び」の原曲とされています。

この「Estudio para Guitarra」のルーツは明らかではありません。ルビーラは世界のいずれかの国や地域の民謡にインスピレーションを受けていないでしょうか? それがスペイン民謡だったとしたら、愛のロマンスのルーツが「スペイン民謡」とすることは納得できそうです。では、ルビーラのギター練習曲に似ている民謡は存在するのでしょうか? ・・・ ウクライナ民謡「美しい月光」が有力な候補だそうです。

美しい月光(Nich yaka misiachna)は、ウクライナの作家、詩人、劇作家ミハイロ・スタリッキー(Mykhailo Starytsky)が1870年に作詞、コブザール(Kobzar)のアンドリー・ヴォロシチェンコ(Andriy Voloshchenko)とヴァシル・オフチンニコフ(Vasyl Ovchynnikov)が作曲して歌っていました。また、ウクライナの作曲家、ピアニスト、指揮者、民族音楽学者のミコラ・リセンコ(Mykola Lysenko)がオペラの演奏曲として作曲しています。

この曲には、「ゆったりと歌ったバージョン=美しい月光」と、「少し速めに歌ったバージョン=月明かりの夜」があるようです。歌手によって速さが異なりタイトルも異なりますが同じ曲です。ギムナジャ・グランジ交響楽団(Gimnazija Kranj Symphony Orchestra)の「月明かりの夜」日本語訳付きです。


最も美しいウクライナの歌🇺🇦(すべての勇敢なウクライナの人々に捧げる)🇺🇦

NASUさんが、ウクライナ民謡で有名な歌 «Ніч яка місячна» をコンサートに向けて練習している動画があります。(12/18, 2022 公開)

  • NASU ★彡(Instagram) ウクライナ出身、日本のモデル・女優・シンガー

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