歌舞伎(かぶき)は、日本固有の演劇で伝統芸能の一つ、2009年9月にユネスコ無形文化遺産に登録されています。歌舞伎という名称の由来は、古語の「傾く(かぶく)」を名詞化した「かぶき」と言われ、派手な衣装や一風変わった異形を好んだり、常軌を逸脱した行動に走ることを指して「かぶき者」と言ったそうです(^^)
歌舞伎の元祖は、出雲阿国(いずものおくに)という女性が創始した「かぶき踊」であると言われています。このかぶき踊りが様々な変遷を経て、現在の大歌舞伎とチンドン屋が出来上がったとされています。
- 慶長見聞集/巻之五(Wikisource) 「かふきをとり」
「かふきをとり」という名称が初めて記録に現れるのは「慶長日件録」で、慶長8年(1603年)5月6日の女院御所での芸能を記録したものです。
「かぶき踊」は、遊女屋(遊女歌舞伎)で取り入れられ、わずか10年あまりで全国に広まります。
しかし、「遊女歌舞伎」は喧嘩が絶えず、男色の「若衆歌舞伎」とともに江戸幕府により禁止されます。
慶長5年(1600年)の「時慶卿記」によれば、お国が演じていたものは茶屋遊びを描いたエロティックなものであり、お国自身が遊女的な側面を持っていたという可能性も否定できないようです。
歌舞伎は、江戸時代から浮世絵などを通して英語圏へ浸透し、「Kabuki」、「Ninjya」、そして「Geisya」なども、伝統を含めると正しく理解されているとは言えないようです。
英語への借用語も増えていますが、こんな言葉も通用するようです(^^)
- 日本語から英語への借用(Wikipedia)
英語の「Kabuki」については、政治関連ニュースで This is now political kabuki theater.(いまの政治は歌舞伎劇場だ。)などのフレーズや、議会演説で political kabuki(芝居がかった政治)として報道されることがあるようです。歌舞伎が好きなネイティブは、この表現を使わないそうです。
日本の多くの伝統芸能は、難解で理解されにくいのかも知れません。観劇の機会を増やしたり、海外発信を強化するだけではなく、日本人自身や日本社会が多様性を高め、異文化の理解を深めて受け入れることが非常に大切のように思います。
数々の問題が明らかになった「クールジャパン戦略」です。自分で自分のことをクールというのはクールではない、ふさわしくないという批判もあり、海外ではクール・ジャパンについて研究などで記述するとき、「narcissistic」(自己陶酔的な)という接頭語が付けられ、揶揄されることが約束事のような状態となっているとの指摘があります。
- クールジャパンの評価(Wikipedia)
- 英語圏のニュースで歌舞伎という言葉が使われている理由(英語 with Luke)