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2022年ネット接続の遮断TOP3はインド、ウクライナ、イラン(Access Now)

2022年に世界中でインターネット接続を遮断した国は35カ国、遮断した合計は187件に上りました。2009年にデジタル市民権を守り拡大すること目的として設立された非営利団体アクセス・ナウ(Access Now)が2022年版報告書を公表しました。1位のインドが84件、2位ウクライナが22件、3位のイランは18件、ミャンマー7件、バングラデッシュ6件と続きます。ネットの遮断は人道危機、大規模な抗議行動、紛争の激化や戦争など、人々が最もネット接続を必要とするときに実行されています。

Number of countries where shutdowns occurred / Access Now

インドは84回のネット接続の遮断を実行し、5年連続で世界最多の国となっています。この中にはインド支配地域カシミールの49件が含まれています。ロシアによるウクライナ侵略では、ロシア軍はインターネット・アクセスを遮断するためにサイバー攻撃を行ない、故意に通信インフラを攻撃してネットの接続を合計で22回切断させています。

ミャンマー軍はクーデターの抵抗が最も強い地域を標的にして、住民を長期間にわたって世界から隔離して閉じ込めています。イランの政権は、22歳のマフサ・アミニの死によって引き起こされた抗議行動を抑圧するため、ネット遮断の戦術をエスカレーションさせ、計18回のネット接続遮断を実施しています。

多くの国々の権力者は、地域と市民を支配する武器として、また暴力犯罪と人権抑圧を隠蔽するために、インターネットの遮断を繰り返し実行しています。

**全体で7画面あり、全画面にもできます。

  • インターネットの遮断で隠された重大な人権侵害と暴力が増加

すべてのインターネットの遮断は重大な人権侵害を伴います。2022年には全シャットダウン187件のうち133件が何らかの暴力と同時に発生しており、2021年の112件、2020年99件、2019年75件と比較しても、その差は歴然としています。

イランのように、当局が残忍な取り締まりとインターネット遮断で抗議行動に対応した場合もあれば、紛争や戦争中、政府、戦争当事者、軍事政権が、殺人、拷問、レイプ、その他の戦争犯罪といった人権侵害を隠そうと、ネットの遮断を展開した場合もあります。

2022年に通信インフラをターゲットにしたものでは、ロシア軍がウクライナ全土の都市に対して行った14回のミサイル攻撃により、またサウジ主導の連合軍がイエメンの通信施設に対して行った1回のミサイル攻撃により、合計15回のシャットダウンが発生しています。

  • 繰り返される犯罪とシャットダウンの長期化

1年に4回以上のネット遮断の国は、インド、ウクライナ(ロシアによる遮断)、イラン、ミャンマー、バングラデシュ、ヨルダン、リビア、スーダン、トルクメニスタンの9カ国ですが2019年もこのうちの7カ国です。政変、抗議運動、暴力犯罪、激化する紛争の最中で、これら9カ国の何百万人もの人々が、憂慮すべき規則性で頻繁にインターネット接続を遮断されています。

  • 標的型のシャットダウンと人権侵害の悪質化

一部の国の政府はネット遮断の実施について洗練され、意図的になってきています。経済的な影響を最小限にするため、明らかに特定のグループなどをターゲットにしています。治安当局や軍事的侵略者などは、モバイルネットワークにターゲットを絞った遮断を継続的に実施しています。これは、政府高官や特定の企業、裕福なエリートがブロードバンド、固定回線インターネット上で活動できるようにする一方で、一般市民を黙らせる手段として、抗議デモの際によく使われている戦術です。

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