日本政府は8月2日の閣議で、輸出の優遇措置を適用する「ホワイト国」のリストから韓国を除外する政令改正を決定しました。政令改正は7日に公布され、28日に施行されます。世耕弘成経済産業相は会見で、今回の措置は安全保障上の観点から対応したもので、徴用工訴訟問題などを巡る韓国への対抗措置ではないと強調しました。韓国はこれに強く反発。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「非常に無謀な決定だ」と批判しました。
- キャッチオール規制(Wikipedia) 英語: Catch-All Controls
- 日本政府、韓国を「ホワイト国」から除外 28日から輸出規制を強化(BBC News)
韓国のムン・ジェイン大統領は、「事態をより一層悪化させる非常に無謀な決定で、今後の事態の責任はすべて日本政府にあるという点を明確に警告する」と述べ、日本政府を強く非難しました。さらに「加害者の日本がぬすっとたけだけしく大声をあげている状況を決して座視することはできない」と述べ、対抗措置をとる考えを示しました。
また、「われわれは再び日本に負けることはない」と述べ、韓国政府として輸入先の確保や国産化の技術開発などを支援する考えを示すとともに、国民に結束を呼びかけました。
韓国国内向けとは言え、このような激しい感情的な表現で演説するリーダーは聞いたことがありません。韓国併合(Japanese annexation of Korea)などに歴史認識の違いがあるとは言え、扇情的で残念な表現だと思います。1965年以降で最悪の状態です。
- 特集「韓国への輸出管理強化」(NHK News)
- 日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約(Wikipedia)
1965年6月22日署名、通称日韓基本条約
日本と韓国のマスメディアは、感情的な表現が目立つ記事が多くなっていますが、海外メディアは日本の輸出規制を強化した経緯を述べ、輸出管理強化の影響を報道しています。日韓の対立の背景、きっかけとして複雑な歴史問題があると解説しています。
- Japan-korea trade(Google Search)
日本の輸出規制に対抗するため、韓国政府は国内のサプライヤーを育成する方針を打ち出しています。しかし、サムスン電子とSKハイニックスと取引しているあるサプライヤーの幹部は「国内サプライヤーの努力に加えて、ハイテク材料を内製化しようとする現在の国家的な取り組みは続くだろう。とはいえ全ての材料を自前で代替するのは不可能だ。そこに到達するには相当な時間がかかるとしています。
- サムスンはなぜ中国からフッ化水素を調達したのか?(特別寄稿)(7/17 宇佐美 典也 / アゴラ)
- 焦点:韓国半導体業界、輸出規制への対策手詰まりで前途多難(8/2 ロイター)