9月10日、飛行機ほどの大きさの新種翼竜を発見したとの研究結果が発表されました。ティラノサウルスやトリケラトプスなど白亜紀後期の恐竜を眼下に、中生代の空に君臨していたということです。学会誌「古脊椎動物ジャーナル」に掲載された論文によると、この新種翼竜は、クリオドラコン・ボレアス(Cryodrakon boreas)と命名されました。翼開長は10m、体重は250kgに達し、ケツァルコアトルスなどと並んで史上最大級の飛翔動物となるということです。
- Cryodrakon boreas, gen. et sp. nov., a Late Cretaceous Canadian azhdarchid pterosaur(Journal of Vertebrate Paleontology)
- New ‘frozen dragon’ pterosaur found hiding in plain sight(National Geographic)
クリオドラコンの化石は、もともと30年以上前にカナダ・アルバータ州で発見されていましたが、誤ってケツァルコアトルスとして分類されたため、ほとんど注目されませんでした。しかし、見つかった幼体の化石の一部や、完全な形で残っていた成体の巨大な首の骨を詳しく調べたところ、新種の化石であったことが判明しました。
7700万年前に生息していたクリオドラコンは、同年代の他の翼竜と同じく肉食で、トカゲや小型哺乳類、さらには恐竜の赤ちゃんも食していたとみられています。
論文の筆頭著者で英ロンドン大学クイーンメアリー校の研究者であるデービッド・ホーン(David Hone)氏によると、広い水域を渡る能力があった可能性が高いものの、化石の発見場所や身体的特徴から、内陸に生息していたとみられています。
- 史上最大級の飛翔動物、新種翼竜を発見 翼開長10m(AFPBB News)