4月3日、エジプトの首都カイロで、古代エジプト最強の女王を含む22人のファラオのミイラが、金色の装飾を施した車列「ファラオの黄金パレード」により移送されました。厳重な警備の下、エジプト考古学博物館から新たな国立エジプト文明博物館(National Museum of Egyptian Civilization)まで、カイロ市内を7キロ移動しました。新しい博物館では最新技術も駆使し、貴重な王のミイラをひつぎや像などと共に展示します。国立エジプト文明博物館のミイラギャラリーを含む展示計画は、日本人建築家の磯崎新氏が担当しました。
- National Museum of Egyptian Civilization: NMEC(Website) 公式サイト
- 古代エジプト王のミイラ22体、「黄金の行列」で引っ越し(4/4 AFPBB News)
1902年完成の老朽化したエジプト考古学博物館から出発するパレードは、ファラオの黄金パレード(Pharaohs’ Golden Parade)と名付けられ、王18人、女王4人のミイラが、古代エジプト風の装飾を施した車両で1体ずつ、時代の古い順に並んで移送されました。
車列の先頭は、紀元前1600年ごろにエジプト南部を治め、勇敢な王として知られるセケンエンラー2世(Seqenenre Tao II)です。エジプトのナポレオンとも呼ばれたトトメス3世(Thutmose III)、最後尾は紀元前12世紀のラムセス9世(Ramses IX)でした。
戦士として名高く在位が67年に及んだラムセス2世(Ramses II)、最強の女王と呼ばれるハトシェプスト(Hatshepsut)女王らのミイラも移送されています。
ファラオの黄金パレードは、イベント全体では2時間10分にわたりライブ中継されています。下記のYouTubeでは、エジプト考古学博物館から出てくるところから再生が開始されます。古代エジプトを想起させる興味深いパレードです(^^)
国立エジプト文明博物館は2017年から限定的に展示を開始しており、4月4日から完全に開館しています。ミイラの一般公開は2週間後になる予定です。また、数か月後には、ギザ(Giza)の三大ピラミッドの近くに大エジプト博物館(Grand Egyptian Museum)の開館も予定されています。
- 日本が支援する大エジプト博物館は2021年オープン(1/4, 2019 Nobuyuki Kokai)