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Nassim Assefi and Emily Godfrey

流産中、体内で起こることとは?(TED-Ed: Nassim Assefi and Emily M. Godfrey)

  • TED

世界中で毎年約2,300万件の妊娠が流産に終わっています。流産はよくあることとはいえ、孤立感を感じ、心に傷を負う人もいます。また、流産に関する俗説が偏見を助長し、多くの人が流産した自分を責めるようになります。では、流産の間、体内では何が起こっているのでしょうか? 医師のナシム・アセフィ(Nassim Assefi)氏と、医学博士のエミリー・M・ゴッドフレイ(Emily M. Godfrey)氏が、妊娠喪失と治療について詳しく考察します。

What happens
What happens in your body during a miscarriage? – Nassim Assefi and Emily M. Godfrey

よく起こることですが、流産は依然としてタブーな話題とされています。孤立しているように感じることもあり、心的外傷に悩まされる人もいます。流産に関する偏見により、差別が助長され多くの人が自分自身を責めることになります。

しかし、流産はほとんどの場合防げません。自分ではどうしようもない要因によって引き起こされるのです。妊娠は複雑な仕組みで、受精卵と子宮の間で慎重なやり取りが行われます。実際3つの受精卵のうち1つしか出産まで至りません。体内で何が起きているのでしょうか。

妊娠12週目までを見てみましょう。大半の流産がここで起きます。妊娠はホルモンによって支えられています。卵巣内で分泌されるプロゲステロン(Progesterone)とエストロゲン(Estrogen)。受精卵から分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)です。

各月経周期の前半エストロゲン分泌量が増加し、続いてプロゲステロンが増加します。これらのホルモンが子宮内膜に信号を送り、血液の供給を促進し粘膜を厚くします。妊娠初期の成長に必要な状態がつくられるのです。受精卵が到着すると、子宮内膜の最外層がhCGの分泌を開始します。hCGは卵巣に移動し、プロゲステロンとエストロゲンを分泌し続けるよう促します。月経は止まります。

Nassim Assefi and Emily Godfrey
What happens in your body during a miscarriage? – Nassim Assefi and Emily M. Godfrey

hCGは子宮内膜の受容体とも結合し、受精した細胞塊が着床する際、拒絶反応を起こさないようにします。この段階で問題が起きることが多いのです。理由は完全には解明されていませんが、3分の1もの受精卵がきちんと着床せず、見かけは正常な月経として、発見されないまま排出されます。

着床は受精卵がきちんと接着するための最初のハードルに過ぎません。いったん子宮内膜にもぐり込むと受精卵は急速に細胞分裂をくり返し、自らのDNAに導かれ成長します。染色体異常により、発育が損なわれたり胚の成長が完全に止まったりする場合があります。多くの人が次のような要因で流産が起こると誤解しています。ストレスや運動、ワクチン接種、過去の避妊薬の使用等です。しかし、実際は大半の流産が遺伝的な問題や、自分ではどうしようもない健康上の要因が原因です。

妊娠喪失の中には、目立った身体症状がほとんどないこともあります。hCG分泌量が減少し、続いてプロゲステロンが減少し、出血や急激な腹痛を引き起こ場合もあります。いずれの場合も治療には3つの選択肢があり、そのうちの2つは人工妊娠中絶手術にも使用されます。患者が妊娠中絶を選択する場合です。

最初の選択肢は「自然排出」療法と呼ばれます。2つ目の選択肢を選ぶ人もいます。ミフェプリストンミソプロストールという薬を順番に服用するものです。3つ目の治療法は真空吸引法です。

妊娠は人によって意味が異なりますが、それぞれの人生の局面で多くの人は、妊娠喪失に深く傷つき、打ちひしがれる思いをします。このように辛い思いをしている時期には、誰もが治療と支援を受け、救命治療を受ける権利があるのです。

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