脱炭素社会に向けて核融合技術の商用化が加速しています。

地球温暖化対策、脱炭素社会に向けて、「核融合エネルギー」の実用化を加速させるため、核融合の先端産業に巨額の投資資金が流入しています。調査報告書「グローバル核融合産業2021(The global fusion industry in 2021)」によれば、核融合のコア技術を担う民間企業は、米国13社、英国5社、カナダ・独・仏・中・印・豪の各国にそれぞれ1社あります。日本企業はありません。回答した企業のうち17社が2030年代に世界のどこかで送電網に接続した形での「核融合発電」が実現するとしています。

SPARC: Fusion Energy Demonstration / cfs.energy

現在、少なくとも35のグローバルフュージョン企業(12は初期段階またはステルスモードであるため、調査への参加を拒否)があります。23社のうち18社に、約18億ドル(約2,031億円)の民間資金が投入され、さらに8,500万ドル(約96億円)の助成金や政府からの資金が提供されています。現在、米コモンウェルス・フュージョン・システムズ(Commonwealth Fusion Systems)、カナダのゼネラル・フュージョン(General Fusion)、米TAEテクノロジーズ(TAE Technologies)、英トカマク・エナジー(Tokamak Energy)の4社が、この資金の85%を占めています。

ジェフ・ベゾス氏が支援するカナダのゼネラル・フュージョンが、商業型の70%のサイズとなる核融合プラントを英国に建設し、2025年の稼働を計画しています。プロジェクト費用は4億ドル(約444億円)で、英国原子力公社(UKAEA)と長期の商業賃貸契約を締結します。

ジェフ・ベゾス氏、ビル・ゲイツ氏の投資会社や Googleなどからの出資は、核融合実験炉プロジェクト「ITER」の進捗に対する不満と、民間テクノロジーへの期待の高まりを反映したものと指摘されています。9月8日には CFSとマサチューセッツ工科大学(MIT)が共同で実施した核融合発電に必要な新型磁石の実験が成功し、核融合の実用化に一歩近づいたとしています。

これからも資金・人材が民間企業に集まることになると研究開発も迅速に進みそうです。報告書によると、71%の企業がクリーンエネルギー技術としての核融合の商用化について、2030年代の目標を達成できると考えています。夢の技術と言われ続けてきた「核融合発電」、予想よりも早い商用化が期待できます。

ITER(イーター)は、日本、EU、米国、ロシア、インド、中国、韓国が参加する国際プロジェクトです。当初計画では2020年までに最初のプラズマ実験を開始、2023年には本格稼働することになっていましたが、各国間の予算調整や技術協力調整などで遅れが生じ、本格始動時期は2035年にずれ込む状況となっています。待ったなしの地球温暖化、脱炭素社会に向け加速させるべき先端分野です。

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