10月20日、英国のリズ・トラス(Liz Truss)首相は辞任を表明しました。大型減税などの経済政策が市場に動揺を与え、保守党内からも反発の声が上がり、就任からわずか6週間での辞任となりました。来週中に後任を選ぶ党首選が行われる予定です。トラス氏は英国史上最も在任期間の短い首相となります。
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トラス政権は9月23日に総額450億ポンド(約7.6兆円)の大型減税を発表しましたが、財源の裏付けがなかったことで財政不安が広がり、英国債金利が急騰(価格は急落)、債券安、通貨安、株安の「トリプル安」を招きました。市場の混乱を受けて減税策の一部を相次いで撤回し、10月14日に減税策をとりまとめた当時の財務相を更迭しました。17日には、残りの減税策のほぼ全てを撤回すると発表していました。
トラス氏は自らの責任を認め、謝罪する一方、経済の安定に向けて続投を表明していましたが、世論調査で政権支持率は大きく下落していました。トラス氏は10月20日、首相官邸(ダウニング街10番地)で「このような状況では党首選の際の公約を実現できないと認識している」と述べ、党からの信頼を失ったことも認め、辞任を表明しました。
また、党首の選出や交代を規定する「1922年委員会」のブレディ委員長と会談し、来週中の党首選実施で合意したことを明らかにしました。後任が決まるまで首相の座にとどまるということです。
デーヴィッド・キャメロン、テリーザ・メイ、ボリス・ジョンソン各首相のもとで閣僚を歴任しました。英国3人目の女性首相で、女王エリザベス2世に任命された最後の首相でした。
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