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機械学習によりパーソナライズされる軽量エクソスケルトン(Stanford)

スタンフォード大学(Stanford)の研究チームが、高齢者などの歩行をサポートするエクソスケルトン(外骨格)デバイスを発表しました。装着した人の歩き方を機械学習によってパーソナライズしたサポートと、デバイスは安価で軽量、また装着者が比較的自由に動くことができるのが特徴です。

Fig. 1: Data-driven exoskeleton optimization. / nature

研究チームが開発したこのエクソスケルトンは、安価なウェアラブル・センサー、モーター、小型コンピュータのラズベリー・パイ(Raspberry Pi)で構成されており、腰に着用する充電池パックで動きます。センサーはブーツに目立たないように埋め込まれていて、力や動きの計測が可能です。

デバイスは装着者が足首に力を加えることで動くふくらはぎの筋肉の一部を代替し、一歩を踏み出すときに地面を蹴る力を補助します。これによって、より速く、より少ない労力で歩けるようになります。機械学習モデルが装着者個人の歩行に合わせてパーソナライズするようになるのにかかる時間は、わずか1時間程度です。センサーから常に学習しているので、装着者の歩き方の変化にも適応できます。

Stanford exoskeleton walks out into the real world / Stanford

実験の結果、普通の靴で歩行した場合と比較して、歩行速度が9%向上し、歩行時の消費エネルギーは17%減少することが分かったそうです。研究論文はネイチャー誌(nature)に掲載されています。ウォーキングマシンを使った他の同種の装置との比較では、装着者の労力を約2倍削減しすることも分かりました。研究チームは、消費エネルギーの減少と歩行速度の向上を 「30ポンド(約13キログラム)のバックパックを下ろすようなもの」と例えています。

研究論文の筆者(Patrick Slade, Mykel J. Kochenderfer, Scott L. Delp & Steven H. Collins)らは、高齢者の支援に焦点を当てた研究をしており、試作機を製品化して日常生活を送る人々を理想的に補助したい考えです。

博士課程の学生としてこ研究に携わったパトリック・スレイド(Patrick Slade)さんは「電動自転車のようなものになればいいなと思っています」と語ります。そして、「(このデバイスは)日常生活の動きをすべて代行できるわけではありませんが、装着しても人々が心地よいと満足できるレベルには到達しています」と述べています。

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