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Megan J. McArdle

AIに仕事を奪われるかもしれない。それでもいい理由がある(TED: Megan McArdle)

AI(人工知能)は、私たちのキャリアを犠牲にしてしまうかもしれません。しかし、だからといって「その開発を止めるべきだとは思わない」とジャーナリストのミーガン・マッカードル(Megan McArdle)氏は言います。AIが自身のスキルを侵食するのを目の当たりにしている彼女は、自分たちの仕事を根底から覆そうとする機械を破壊しようとした、19世紀のラッダイト運動について斬新な解釈を提示します。マッカードル氏は問いかけます。「現在を守るために進歩を止めれば、未来から何を奪うことになるのでしょうか?・・」

Megan J. McArdle
I’ll Probably Lose My Job to AI. Here’s Why That’s OK | Megan J. McArdle | TED

まあ、私だけじゃないと思うけど、最近 AIについて考えることに多くの時間を費やしています。おそらく多くの労働者が職を失うことになると思っています、たぶん私も含めて。20年前に私は高額な MBAを取得。それを活用してジャーナリストになりました。

現在、私は「ワシントン・ポスト」のコラムニストです。しかし、AIは日々、優れた文章を書く能力がどんどん向上しているようです。そして、私は何をすべきか分からない単語を続けて入力することになり、半ば利益を生む仕事ではなくなったら・・。

私はリバタリアンのコラムニストです。つまり、私は進歩と創造的破壊を信じているのです。しかし、いま私が信じていることは「ラッダイト運動には一理ある」です。(笑)

誰もが愛情を込めて手作りされた織物を身に着けていた時代です。彼らは手作りの織物を作る熟練した職人でした。やがて、当時の最先端の技術を駆使して、記録的なスピードで糸を紡ぐことができるジェニー紡績機などが登場します。そこで彼らは機械を破壊することに・・。正直、同情はあります。

spinning jenny
トヨタ産業技術記念館にあるジェニー紡績機(複製)/ Wikipedia

私たちリバタリアンは、自由と進歩の素晴らしさについて語るのが好きです。そして、それらは栄光に満ちています。しかし、これらは無料ではありません。たいていは傷つく人もたくさんいます。印刷機は知識を民主化しましたが、魔女狩り宗教戦争もありました。産業革命は生活水準を向上させましたが、厳しい工場労働や、劣悪な都市環境と息苦しい大気汚染を生み出しました。私たちにはこれらのコストを計算する義務があります。

そして、私たちはそれらのコストを負担し、未来を展開させるべきと私は思います。なぜなら、私たちは皆、過去の決定の恩恵を受けているからです。現在を守ることよりも将来の成長を優先すべきです。仮にラッダイト運動が実際に進歩を阻止することに成功していたら、事実上、いま私たちが持っているほとんどすべてを奪っています。

イノベーションを止めようと思ったとき、あなたの仕事と競合するかもしれない。自分自身に問いかけなければならない。私は孫たちからどれだけ盗むつもりなのだろうか? もちろん、ラッダイトも同じことを考えたはずですが、彼らには未来を想像できなかったと思います。短期的なマイナス面を想像するのは非常に簡単ですが、長期的なメリットは理解しにくいのです。進歩は累積的なものなのです。いまの私たちも同様です。

私は誇りある伝統の中で働く人間です。私は20年以上かけて築き上げてきたキャリアを望んでいます。私はAIを恐れています。夜中に眠れず、これを止められないか、あるいは少しでも遅らせられないかと考えることもあります。しかし、そんな時、自分自身に言い聞かせるのです。たとえできたとしても、そうすべきではないと・・。

私には子孫から未来を奪う権利はない。なぜなら、私はすでに誰かの未来を生きているからです。そして、それは文字通り彼らが想像していたよりもずっと良いのです。ありがとうございます。(拍手)

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